小児歯科~年齢別、ご家庭での口腔ケアのポイント~

小児歯科

子どもの成長に合わせた口腔ケア

子どものうちから、歯磨きなどの虫歯予防・口腔ケアの習慣を身に着けておくことは将来の健康にもつながります。

ひとくくりに「子ども」といっても、年齢によって身体や心・生活習慣が全く違います。

お子様の、ひとりひとりの成長に合わせた口腔ケアが重要になります。

子どもの頃からしっかり口腔ケアを行うと、年齢を重ねても健康な歯を保つことができます。

 

3~6歳

 乳臼歯の生え始めは溝に汚れが溜まりやすいので、保護者みがきは念入りに。

 

☆3歳になったら自分でみがく習慣づけを

 幼児用の歯ブラシを使い、自分で磨く練習を始めましょう。全体をまんべんなく磨くことができたら、褒めてあげてください。フッ素配合の歯磨き剤を使うと虫歯予防に効果的です。

 

☆3歳からの噛む力をつける食事

 最近、子どもにも生活習慣病が増えていますが、よく噛んで食べることで生活習慣病の危険因子である肥満を防ぐことができます。

 

〇噛む回数が増える食材を

 肉や食物繊維の多い食材(ごぼう、生のキャベツ、キノコ類、海藻)など、歯ごたえがあり、よく噛まなければ食べられない食材を選びましょう。

 

〇薄味を心がける

 料理の味が濃いと、あまり噛まずに飲み込んでしまいます。噛む力をつけ、素材の味を感じられる舌に育てるためにも、薄味を心がけましょう。

 

〇食材は一口サイズより大きめに

 食材を大きめに切ると、食べる力が鍛えられます。たとえば、かぶりつけるような大きさの唐揚げなどがおすすめです。

 

〇食事中に飲み物は出さない

 水やジュースなどの飲み物があると、よく噛まずに流し込んでしまいます。よく噛んで唾液を出しましょう。

 

〇煮込みすぎない

 カレーやシチューなどは煮込みすぎず、大きな野菜や肉のかたまりがごろっと入っているものにしましょう。

 

6歳~12歳

《生え始めた未熟な永久歯を守ろう》

☆この時期から生え変わりが始まる

 永久歯の歯の芽は顎の中で時間をかけて成長し、6歳くらいになると顔を出し始めます。最初に生える奥歯の永久歯は、第2乳臼歯の後ろに生えてくる第1大臼歯(6歳臼歯)で、13歳ごろまで永久歯への生え変わりが続きます。

 

“6歳臼歯を守る”

 6歳臼歯は噛み合わせの要で、

「歯の王様」とも言われています。生え始めは歯ぐきが歯に覆いかぶさって、奥に生えていることから、汚れがつきやすく虫歯になりやすいのです。6歳臼歯を早期に失うことは、食べる機能にとって大きなダメージです。

 

1,口の中の大黒柱

6歳臼歯(第一大臼歯)は、「噛み合わせの鍵」と言われるように、歯並びや噛み合わせの基本となる、いわば口の中の大黒柱で、永久歯の中でも下あごの前歯と同じように比較的早い時期に生えてきます。永久歯の中で一番大きく、臼(うす)の形をしていて、食物を噛む力が一番強い歯です。噛む面の溝が深くて複雑です。生えてくる時、歯肉が赤く腫れ、痛みや違和感を訴えることがあります。

 

2,むし歯になりやすい

この歯は完全に生えるまでに時間がかかるので、その間、歯の上に歯肉がかぶさり、歯ブラシが届かないため、清掃が不十分になりやすいと言えます。

→歯の噛む面の溝が深くて複雑なので、食べかすがたまりやすくなります

→歯が完全に生えるため噛む役割をしないので、食べかすがたまったままになりがちです

→5~6歳のこのころは遊び友達も多くなって、母親の知らない時間も増えてくるので、行動や食物の管理が十分にできにくく、甘いお菓子を取る機会も多くなりがちです

→自分の思い通りにしたい時期で、母親に歯磨きをしなさいと言われるのや、歯磨きを手伝ってもらうのを嫌がります

従って歯の清掃が不十分となるため、むし歯ができやすいと言えます。

 

3,6歳臼歯を守るには

6歳臼歯が生えたら、早い時期にフッ化物を塗ってもらい、歯の質を丈夫にすること。噛む面が完全に出てきたら、予防のために詰め物で埋めてしまい、形態的にむし歯にならないようにすることもできます。また、生える前4~5歳のころは、乳臼歯の歯と歯の間にむし歯が出来ていることが多いので、むし歯の治療をしておくことも大切です。大きく口をあけていつも歯磨きが上手にできる子どもであれば、歯科医院の治療にも十分に対応出来るはずです。しかし、何といっても常日ごろの間食の管理と歯磨きが最も大切です。

 

☆生え変わり時期の歯磨き

①歯の生え変わり時期は乳歯と永久歯が混在するため、歯磨きが難しくなります。乳歯期用の歯ブラシは毛が短いものが多いため、永久歯の溝に届きにくく、磨き残しがおきやすくなります。生えたての永久歯の表面は酸に弱く、虫歯になりやすいのです。より丁寧に磨くことを心がけましょう。

②歯と歯の間の汚れを落とすための補助として、デンタルフロスを使いましょう。

 1,歯と歯の間にフロスを入れ、スライドさせながらゆっくり下ろす

 2,歯に沿わせて、上下に数回動かす

 3,歯ぐきに触れないように動かす

③生えたての6歳臼歯は、ほかの乳歯より背が低いので、歯ブラシを口の横方向から入れて磨くと、磨きやすくなります。

④6歳以上ではフッ素配合歯磨き剤を子ども用歯ブラシの半分以上のせて、歯磨きを見守りましょう。ブクブクうがいは練習をして、すすぎすぎないように1~2回にとどめます。歯磨き直後の飲食は、避けるようにします。

⑤自分でみがけるようになっても、まだ大人のチェックが必要です。保護者磨きは9歳ごろまで続けましょう。

 

《よく噛んで何でも食べることが健康のもと》

☆歯と心を育む食事の体験

 最近の若い人たちは、柔らかい料理や食品を好む傾向があります。その結果、脂質をとりすぎ、必要なビタミン・ミネラルなどの栄養素が不足するため、やがては生活習慣病を招くことになります。自分自身で健康を守り、豊かな食生活を送る力を身につけるためには、食に触れる体験(料理、キャンプ、畑など)や食の思い出(行事や記念日の食事など)を増やしてあげましょう。

 

☆歯並び・噛み合わせに注意する

 歯並びや噛み合わせが悪い状態を「不正咬合」といい、「乱杭歯」「受け口」「出っ歯」などいくつかの種類があります。噛み合わせが悪いと噛む力が弱くなる傾向があり、虫歯や歯周病になりやすい、発音障害がおこるなどの多くのデメリットが生じ、体全体の発育にも影響を及ぼします。

 

12歳~20歳

~予防意識を高めて永久歯を大切に~

12歳臼歯が生え、28本の永久歯が生えそろう

12~13歳頃には第2臼歯(12歳臼歯)が生え、上下合わせて28本の永久歯がそろいます。永久歯は第3大臼歯(親知らず)を入れると32本ですが、親知らずが生えてこないこともあります。親知らずは早めに抜歯した方がいい場合もある為、定期的に歯科医院でチェックを受けましょう。

この時期に増える歯周炎とは?

青年期(思春期)は、ホルモンバランスの変化により歯茎に炎症が起こりやすくなります。さらに、受験などの精神的なストレスの影響によって、歯周炎から若年性の歯周病に進む場合があります。

歯磨きの時に歯茎をよく観察して赤くなっている、赤くなっている、痛みがある、ぶよぶよしているなどの症状があれば、早めに歯科医院を受診しましょう。

青年期のお口のケア

 青年期は、すべての歯が永久歯に生え変わり、8020に向けてのスタートラインです。この時期は、学校や部活の帰りなど飲食の機会が増え、食生活が不規則になり、むし歯と歯周病のリスクが高くなるので、生活習慣を整えて、これまでの歯磨き習慣が途絶えてしまわないようにすることが何より大切です。

 

セルフケアのポイント~青年期の傾向と対策~

  部活で疲れて、夕食後歯磨きせずに寝てしまう

→歯磨きの大切さを伝えるよう努めましょう。

  受験勉強中に夜食をして、そのまま寝てしまう

→夜食時に、ハミガキセットを添えてみるのもいいでしょう。

むし歯になりやすい場所

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

・奥歯のかみ合わせの面の溝

歯ブラシが届きにくい歯間は、デンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。

 

最後に

北九州市小倉北の歯医者ヤマヂ歯科矯正歯科クリニックでは、日本矯正歯科学会の認定医と臨床指導医が在籍し難しい矯正治療の患者さんでも多くの治療を行ってきた実績があります。

また、当院には日本小児歯科学会小児歯科専門医や日本歯周病学会歯周病専門医も在籍しており、幅広く専門的な治療をしております。

無料相談をお受けしておりますので気になる方は24時間ネット予約にてご予約を取られてください。

 

 

執筆監修者

山地晃二郎 

ヤマヂ歯科・矯正歯科クリニック 院長

住所 福岡県北九州市小倉北区中井5-4-26

日本矯正歯科学会 認定医

日本口腔インプラント学会

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